湯河原、箱根には檜が多い。しかし、戦後植えられたその檜はあまり手入れをされず放置されていました。現在ではしっかりと管理もされるようになってきましたが、まだまだ過去に植えられた木が大部分を占めています。それらの木は曲がっていたり、死に節があったり、少し洞(うろ)が入っていたりで一般的流通には乗らない製品となってしまいます。大径木も一般的には好まれません。
それらはバイオマス燃料として安く買い叩かれて燃されていきます。
しかし大工の目で見るとこれら欠点を生かした製材や逃がして製材することで十分建築材料として活用できるのです。
檜の構造材は一般的にはそう多くは流通していません。石場建てに必要不可欠な『足固め』を手に入れようと思ってもなかなか手に入りません。そんな手に入りにくい材を自社で生産し活用、販売をしています。
土場に集められた檜材。この中から大工自らがグラップルに乗り込み選び運んでいます。
Woodmizer社製 LT20 製材機
長さ9.8mまで製材ができます。油圧で丸太を上げたり、転がしたり、高さ調整出来るため一人での操作も可能です。
なるべく継ぎ手を作らない杢巧舎において長物が挽ける事は重要です。
赤松の曲がり材も丸太で仕入れ自社で製材しています。
低温水移動乾燥機
製材した木材を35度~40度の温度で乾燥させる乾燥機です。乾燥機の躯体自体は全て檜、杉で出来ています。熱源は遠赤外線ヒーターです。乾燥具合は天然乾燥と同じように木の繊維や細胞を殺さず乾燥させます。
杢巧舎はこの乾燥機の販売代理店でもあります。